4月 02

2013年に中井ゼミで考えたこと その7

6 公開の原則

    個人情報保護法が施行され、プライバシーへの配慮が強く求められるように
   なっています。これがまた、批判のあり方に大きな影響を与えているようです。

    ネット社会によって、個人の意見を公表する際に、それを実名でするかどうか
   なども、大きな問題になっています。

    私のゼミでもそうした問題が問われています。
   しかし、私のゼミの特殊な事情があるように思います。それを最初に説明しましょう。

  ○中井ゼミとの関わりを「隠す」こと
   私のゼミに参加したり、師弟契約を結ぶまでになっている人の中に、そのことを
   親や世間や所属する会社などの周囲には隠している人がいるのです。
   そういった人は、文章ゼミなどで文章を提出して批判を受けても、それを
   メルマガなどに掲載すること、ましてや実名を出すことは嫌がります。
   しかし、この問題は「公開の原則」とは本当は無関係だと思います。
   中井との関係を周囲に隠しておきたいだけだからです。
   なぜ「隠す」のかといった問題がありますが、今回は私のゼミの現状を報告するにとどめます。

    さて、私のゼミの特殊性の問題とは別に、プライバシーの尊重の名のもとに、
   公開が制限されるようになっていますが、これはどう考えたらよいのでしょうか。
   一言でいえば、それは「例外」だというに尽きると思います。

    以下、私見です。これには賛否両論があると思います。そういう性質の問題だからこそ、
   私見を公表し、参考にしてもらいたいと思います。

                                         

   「公開の原則」

  (1)公開が原則。非公開は例外。
     つまり、原則として「個人は実名で自分の考えを発表できるし、
    その根拠として、自他の固有名詞をあげてその言動を具体的に示すことができる」
     多くの人はこの逆に考えている(原則は非公開。例外として公開)が間違いである。

  (2)問題は思想の自由と表現の自由と、その責任の問題。
    プライバシー保護の名の元に、思想や表現の自由が否定されることはありえない

  (3)真理は光を求める。不正は闇を求める
    真理のためには、すべての公開が大原則
    事実、裁判になれば、問題に関連するすべて(プライバシーも)が公開される。

  (4)例外として実名を伏せたり、言動を伏せたりすることは認められる。
    ただし、それはあくまでも「例外」としてである。

   〈1〉公的言動はすべて公開が原則
   〈2〉私的言動についても
      公人(政治家、役人、芸能人など)は原則公開
      また犯罪行為などに関わっては、たとえば裁判ではすべてのプライバシーが公開
      また報道もされる
       その例外が「少年法」
   〈3〉「例外」とはその人の生前に限られる。
      死後は必要に応じて公開される。
       歴史上の人物(政治家、経済人、作家など)
 
  (5)私的言動であっても、本人の了解なしでも、書く必要があれば書くことはできる。
    そうでなければ、核心に迫ることの半分は書けなくなる。公開した人は
    その責任を取ればよいだけ。

   〈1〉書き方の配慮はありうる。仮名にするなど。
   〈2〉「責任をとる」とはどういうことか
     社会的(当人を含む)な説明責任と、当人からの名誉棄損などの訴えに対応すること
     それ以外に社会的な責任はない。

  (6)役人や組織人は、組織の意向とは別の自分の意見を公開できないのか。
    意見を発表したいなら、公開できるようにするのが正しい
    個人の意見と役所(組織)の見解は違うのが当たり前
    仕事としては、役所の指示(決定)で動くのが当たり前
    個人的見解とのズレが常時だから、そのズレが、国民や外部にも公開されている方が良い

  (7)鶏鳴学園の中学・高校生のクラスでは、授業に関して提出された
    すべての文書がクラス内では公開される原則で運営されている。これは「教育」の
    ためである。ただし、クラス外への持ち出しは、本人の了解が必要としている。
     この原則は塾の説明会でも説明し、学期の冒頭でも説明し、周知徹底をはかり、
    メンバーの了解の上に運営している

  (8)ネット社会になって誰もが「公開」=「思想の自由」について考える機会が
    与えられたことに意味がある。私のゼミでは公開の範囲としてメルマガとブログの
    読み手の範囲(時間的、空間的)の違いをどう考えるかが問われている。

  (9)個人情報保護法は、営利企業を対象にしたもの
      教育機関は想定されていない。

  (10)学生と社会人における基準の違いも考えるべきか?

  (11)先生と生徒が、論文を発表する際に、オリジナルや著作権をめぐる争いが起こる。
     生徒のオリジナルを先生が奪い、自分の論文として発表することは多い。
      先生の指導がある場合、生徒の作品の中に、それぞれのオリジナル、著作権は
     どう考えられるか
     ※これは公開の原則に直接関わらないが、いずれ私のゼミでも問題になること
      なので、出しておく。
                    

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