3月 02
本日(3月2日)の「朝日新聞」朝刊の教育欄(18ページ)で発言しています。学長選挙の在り方についてです。
拙著『大学「法人化」以降』の第7章の?に書いたように、国立大学が法人化して以降、学長選挙が変わり、紛争が起きているところもあります。
従来は学内投票で決めていました。今はそれは予備投票(意向投票)でしかなく、決定権は学長選考会議にあります。その二つの結果が食い違う場合は、問題が起きる可能性があります。
私のコメントはずいぶん削られましたが、少し補うと以下になります。
意向投票の結果を選考会議がひっくり返す例は富山大以外にもあるが、むしろ、選考会議として意中の人物がいるのに、意向投票で違う人物が1位になると、そちらに従う例の方が多いと思う。「改革派」の学長(千葉大、埼玉大、鳥取大、電機通信大など)が、二期目にほとんど落選しているのは、そのためではないか。
学長は、単純に学内の多数決で決めれば良いとは思わない。医学部や工学部といった票数が多いところが役をたらい回しにしてきた大学もある。学長選の最大の問題点は、真に経営力があり改革ができる人を選ぶために、選考会議がちゃんと機能しているかどうかだ。
大学の経営には多額の税金が使われている。ふさわしい人が選ばれたことを国民がチェックするために、経営会議の委員は、投票した人とその理由を開示するべきだ。また、候補者も具体的な数値を示して経営方針を語るべきだ。