7月 26

私の好きな日本人の洋画家は、万鉄五郎と須田国太郎です。他にも素敵な画家はたくさんいますが、私にとってこの2人は別格です。

須田国太郎(くにちゃんと呼んでいます)は、その絵の具の塗り重ね方と、その色彩がすきです。あまりの快感に陶酔してしまいます。

その彼の大規模な回顧展が世田谷美術館で開催されています。
お薦めします。

2024.07.13 ? 09.08」
生誕130年 没後60年を越えて
須田国太郎の芸術――三つのまなざし

開催概要
画家・須田国太郎(1891-1961)は、「東西の絵画の綜合」という壮大なテーマを掲げ、日本の精神文化に根差した油彩画の在り方を追求しました。
京都に生まれた須田は、京都帝国大学(現・京都大学)および同大学院で美学・美術史を専攻する一方、関西美術院で油彩の基礎を学びます。
1919年に28歳で渡欧。スペインのマドリードを拠点にヨーロッパの各地を訪れ、ヴェネツィア派の色彩理論やバロック絵画の明暗法など、西洋絵画の底流にあるリアリズムの表現に触れます。この滞欧は須田の制作に大きな影響を与え、須田は自らが会得した理論を背景とした、骨太で生命感あふれる独自の油彩表現を切り拓いていきます。
1932年に41歳で初個展を開催。これが契機となり、里見勝蔵や川口軌外の誘いで独立美術協会の会員となると、同会を中心に意欲的な作品を次々に発表しました。また、向井潤吉をはじめとする世田谷ゆかりの作家たちとも交流しました。
本展では、初期から晩年までの油彩の代表作に加え、戦前の滞欧期に撮影した貴重な写真、また、能・狂言への造詣の深さを示すデッサン、そして、長年にわたって蒐集した「グリコのおもちゃ」のコレクションといった、意外な人物像を伝える資料も交え、須田国太郎の新たな魅力を紹介します。
須田国太郎は2021年に生誕130年、没後60年を迎えました。これを記念し、全国5会場で開催する本展は、昨年より愛知(碧南市藤井達吉現代美術館)、大分(大分市美術館)、兵庫(西宮市大谷記念美術館)、広島(三之瀬御本陣芸術文化館/蘭島閣美術館)と巡回し、世田谷美術館がいよいよ最終会場となります。

会期: 2024年7月13日(土)?9月8日(日)
開館時間: 10:00?18:00(入場は17:30まで)
休館日: 毎週月曜日 ※7月15日(月・祝)、8月12日(月・振休)は開館、7月16日(火)、8月13日(火)は休館
会場: 世田谷美術館 1階展示室

1月 31

「出久根育展 チェコからの風 静寂のあと、光のあさ」

よい絵に出会いました。
この人は、よい生き方をしていることが推察されます。

以下のホームページを眺めて、気に入ったら行ってみることを薦めます。

https://www.musashino.or.jp/museum/1002006/1003349/1005926.html

武蔵野市立吉祥寺美術館
〒180-0004
武蔵野市吉祥寺本町1丁目8番16号 FFビル7階
電話番号:0422-22-0385 ファクス番号:0422-22-0386

会期2024年1月20日(土曜)?3月3日(日曜)休館日1月31日(水曜)/2月21日(水曜)・28日(水曜)開館時間10時00分?19時30分入館料300円(中高生100円、小学生以下・65歳以上・障がい者の方は無料)主催武蔵野市立吉祥寺美術館

【出久根 育(でくね いく)】
出久根さんのプロフィール写真
東京都生まれ。1992年、武蔵野美術大学卒業。1994年、最初の絵本『おふろ』を発表。19 9 8 年、ボローニャ国際絵本原画展入選。同年、東京で開催されたドゥシャン・カーライ氏のワークショップに参加。2003年、グリム童話『あめふらし』(パロル舎 2001年/偕成社再刊行 2013年)でブラチスラバ世界絵本原画展グランプリ受賞。2006年、ロシア民話『マーシャと白い鳥』(再話:ミハイル・ブラートフ作 偕成社 2005年)が日本絵本賞大賞受賞。2011年、『もりのおとぶくろ』(作:わたりむつこ のら書店 2010年)が産経児童出版文化賞ニッポン放送賞受賞。2005年にブラチスラバ世界絵本原画展で特別展示 。2022年、チェコ、プルゼニ州西ボヘミア大学ラジスラフ・ストナルデザイン・芸術学部シンポジウムにてイジー・トルンカ賞受賞。2002年よりプラハ在住。

12月 10

昨日、大倉集古館「生誕120年記念 篁牛人展 昭和水墨画壇の鬼才」を見てきました。

お薦めします。

ホームページには、以下の紹介がありました。
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孤独と酒を最良の友とした異色の水墨画家・篁牛人(1901?1984)。

特定の師につくことも美術団体に属すこともなく、芸術に至上の価値を置く自由奔放な生きざまを貫いた孤高の画家であった牛人は、「渇筆」という技法(渇いた筆などで麻紙に擦り込むように墨を定着させる)によって、独自の水墨画の世界を開拓しました。

大胆さと繊細さを併せ持つ渇筆は、細くたおやかな筆線と共存し、中間色層が極端に少ない白と黒の画面の中で、デフォルメされた特異な形態表現が不思議な緊張感をみなぎらせます。

本展では、牛人の画業を三章に分けて構成し、水墨画の大作を中心として、初期の図案制作に関連する作品なども含め、水墨画の鬼才・篁牛人の世界をあまさず紹介します。
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また、この展覧会を記念して、
「市川慎 箏コンサート」があり、尺八の小湊昭尚氏も助演。
現代曲がとてもよかった。
私にとっては、これはジャズのセッションでした。

10月 21

「式場?三郎:脳室反射鏡」

現在、練馬区立美術館で
「式場?三郎:脳室反射鏡」が開催されている。
私は先週見てきた。
面白いので、お薦めします。

式場は鑑賞の達人で、新たなもの、創造的なもの、そこにある精神の深さ(闇)をいち早く見抜く眼力があり、それを社会に広めていくプロデューサーとしての能力も持っていた。
マルチな才能であり、こういう人は日本では珍しいのではないか。

『二笑亭奇譚』という本(筑摩文庫で20年程前に再刊)は、「二笑亭」という奇妙な屋敷の意義を解説したもの。跋を柳宗悦が書いている。これもお薦めです。

詳しくは練馬区立美術館のHPを見てください。
https://neribun.or.jp/event/detail_m.cgi?id=202008231598163149
この美術館は、今年春にも「津田清楓」展を行っており、着眼点の良さを感じている。
こうした美術館は少ない。
もっとも、今回の展示は、新潟市立美術館が企画したもので、練馬はそれを巡回しているだけだが。

4月 04

生誕140年記念
津田青楓とあゆむ明治・大正・昭和展
練馬区立美術館

津田青楓。私はこの画家を知らなかった。
「文豪夏目漱石に愛された」画家とのこと。
いい絵がたくさんあった。

彼の絵は、その作風を大きく2回変えている。
彼には、大きくは3つの時代があったようだ。

1つは「文豪夏目漱石に愛された」画家として、夏目やその仲間たちの本の装丁などを一手に引き受けていた時代。
彼は日本画と洋画の2つともに学んでいて、さらにはデザイン画を多数書いていた。そして、夏目と出会う。木曜会のメンバーとの交友があった。

その後、昭和初頭には、経済学者河上肇との関りがあり、社会主義に大きく傾倒した。
特高に虐殺された社会主義者をキリストになぞられたような『犠牲者』はすごい。
そして思想弾圧の下で「転向」宣言し、洋画を捨てる。

その後は、南画の世界に移行し、良寛和尚にも影響を受けた精神世界を描いている。

日本の明治から昭和を、その核心部分と関わりながら生きた人だと思う。
洋画と南画の2つの世界をもって生きたところは、萬鉄五郎を思い出させた。
「転向」後に、身を寄せる場所として、南画という世界があったことをどう考えるべきか。
この問いが残された。

関心のある人には、是非お薦めしたい展覧会である。
4月12日までだが、
コロナ対応で、土日は休館しているので注意。