7月31日から8月2日まで、日本作文の会の全国大会で長崎に行って来ました。
私が代表を務める「高校作文教育研究会」が、2日間の高校分科会をそこで開催するようになって7年。これまで毎年、実践報告をしてきました。
参加者は長崎、鹿児島、兵庫、高知、神奈川、東京、茨城などから、15人ほど。
私は、今年は「聞き書き」について報告しました。
自己理解のための、対象・社会理解。そのためには、社会理解(現場取材とインタビュー)で、現実認識を深めて、自分自身の問いを立てる必要があります。
そこでは、現実認識が上っ面にとどまらないための厳しい指導が必要だ、と話しました。それでこそ、自己理解が深まるのだと。(内容は拙著『脱マニュアル小論文』の第3章を踏まえたものでした)
参加者からは好評でした。
鹿児島県の中学での実践家として有名な中俣勝義氏も報告してくれました。定年後の福祉専門学校での「教育学」と「文学」の授業の実践報告でした。学生は10代から30代まで。
「教育学」では、その多様な学生に、中学の実践から生まれた生徒作品を整理し、それをぶつけることで、各自の生き方・考え方を見つめ直すことを求めるものでした。受講者からのすばらしいコメントが生まれていました。
『蟹工船』をテキストにした「文学」の授業でも、今の日本社会や、自分の生き方を見つめ直すことを促して、成功しているようでした。
実は、少し前に、氏の中学での実践記録『先生!行き場がない』(1991年。エミール社)を読んで、心を動かされていました。
私の実践と似ていることに驚き、また励まされたのです。
それは以下の3点です。
(1)公開の原則
(2)認識の深化のために、観点を与えての書き直しを重視する
(3)生徒同士の読み合いを重視する
特に、(1)と(2)は私と同じ考え方の方が少ないので、心強く思いました。