5月 03
3月5日に神奈川県立近代美術館(鎌倉別館)で関合正明展を観てきた。2回目となるが、しばらくは観られないと思い、ゆっくり丁寧に観た。09年1月27日のブログでは関合の絵の良さについて述べたが、その弱さにも触れておく。
関合には孤独に徹する強さがあるが、まだ甘さが残っている。画面の形や構成を突き詰め切れていないところに、それを感ずる。
彼は形を壊さない。現象の形や事実に寄りかかっている。例えば、彼は風景の中に人間を入れて描く。しかし、私には、なぜその人間の形や外見が、そこに必要なのかがわからない。
風景や情景に人間を入れるかどうか。入れるなら、なぜ入れるのか。どう入れるのか。入れないなら、なぜ入れないのか。
こうしたことを突き詰めていないように思われる。佐伯祐三なら人間を入れない。池大雅では人間と自然が一体になっている。
こうした問題を突き詰めていない徹底性の弱さが、彼の絵を今ひとつ突き抜けた地平に進めなかったのだと思った。