3月 29

シリーズ:「聞き書き」を
学び合う 第9回 
高校作文教育研究会4月例会

高校作文教育研究会は、一昨年秋から2年ほどの予定で、会のテーマを「聞き書き」として、聞き書きの可能性、授業で実践する際の具体的手だて、その課題などを検討しています。

この間、私たちの例会や全国大会に、各地の中学、高校のすぐれた実践家10人ほどをお招きし、みなで共同討議をしました。聞き書きに関するさまざまな課題について、生徒作品を丁寧に読みながら、具体的に考えてきました。

その成果は、昨年6月から雑誌「月刊 国語教育」に連載中です。

4月の例会では、冨田明さんの実践報告以外に、聞き書きの歴史や理論を考えます。
歴史から私たちは学ばなければならないはずですが、じっさいはそうなっていません。そのために過去の失敗を何度も繰り返し続けています。すぐれた実践や、そこから生まれた問題提起から学んでいきたいものです。今回、程塚英雄さんからは70年代の実践についての総括、古宇田栄子さんからは80年代始めの中学の実践が紹介されます。
また、理論的には文体の問題が大きいのですが、これはまだ手つかずで放置されている問題です。少しずつでも切り込んで、考えたいと思います。
新しい学習指導要領では、「全教科での言語活動の充実」と「国語科がその中心で指導する」ことが謳われています。それが稔りのあるものになるためにも、私たちの学習を進めていきましょう。
 
どなたでも参加できる研究会です。どうぞお気軽にご参加ください。

1 期 日    2010年4月18日(日)10:00から16:30

2 会 場   鶏鳴学園御茶ノ水校
         東京都文京区湯島1の9の14  プチモンド御茶ノ水301号
         電話 03(3818)7405 JR御茶ノ水駅下車徒歩4分
       ※鶏鳴学園の地図はhttp://www.keimei-kokugo.net/をご覧ください

3 報告の内容
(1) 聞き書きと文体を考える 
        鶏鳴学園 中井浩一
聞き書きを実践していると、必ず文体の問題にぶつかります。前回の機関誌ではそれについての私見を書きました。それに対して、程塚英雄さんなど複数の方々から意見が寄せられています。それを紹介しながら、この問題を考えたいと思います。

(2) 70年代の教育実践を振り返る
               茨城キリスト教学園高校 程塚英雄
70年代には鈴木正気さんや程塚英雄さんをはじめとして、茨城県ではすぐれた実践が多数行われていました。その総括を行うために茨城県教育科学研究会主催のシンポジウムが開催され、それが『教育』1981年1月号に掲載されています。
そのシンポジウムに参加した程塚さんから、ご自身の初期の実践を振り返ってもらい、その総括の意味を報告してもらいます。(中井記)

(3) 職業人への聞き書き
               神奈川県立有馬高等学校 冨田明
 2年生の夏休みに聞き書きの課題を出しました。
 1年次の青春時代(できれば戦争体験)の聞き書きにつづき、二度目の聞き書きの課題です。このときは3枚程度以上の条件を出しましたが、多くの生徒は3枚しか書かず、表面的なレポートになっていました。それに対して今回は枚数制限無しにしたところ、10枚以上書いて提出した者もいました。前年度はクラス文集・学年文集とつくっていきましたが、この年度はよくできたレポートをクラス別に選抜したプリントをつくり、授業で読み合わせをしました。
 それらの作品プリントを読み、問題点を報告したいと思います。検討をよろしくお願いします。

4 参加費   1,500円(会員無料)

6月の例会の日時と報告(の一部)が決まりました。

6月27日に例会を行います。
高校における「ディベート」についてみなさんと考えたいと思います。

報告者はもう20年近く、実践を積み重ねてきた杉浦正和さん(芝浦工業大学附属柏高校の社会科担当)と、杉浦さんとともに、県立小金高校などで実践されて、現在は大学の教職課程を指導されている和井田清司 さん(武蔵大学人文学部)からの報告があります。
 
お二人が編集した単行本には以下のものがあります。
◆生徒が変わるディベート術 国土社 1994
◆授業が変わるディベート術!―生徒が探究する授業をこうつくる 国土社 1998

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