2月 15

高校作文教育研究会(高作研)主催で、
北海道立高校教諭として33年の教師歴を持つ池田考司さんに、
これまでの実践とそれを支えた理論を振り返ってもらう学習会を企画しました。

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◇◆ 実践報告「生活綴方教師にあこがれて歩んできた高校教師としての33年間」高校作文教育研究会臨時学習会 ◆◇

このたび、北海道の池田考司さんが高作研の学習会に参加してくれることになりました。
池田さんは、さまざまな困難を抱えた生徒たちと向き合って、温かくも、積極的な実践をされている方です。
池田さんは書いています。生徒たちには、「試行錯誤する権利」と「未来に対する権利」がある。そしてそれを行使できる主体に育っていく権利がある。
「倫理」の授業では、そのような課題(目的)を授業のテーマに位置づけ、書く力や話し合い、発表する力をつける機会を作ってきた、と。
池田さんの実践には、感動があります。池田さんは「研究」と「実践」を大切にされている方です。
今回は、池田さんご自身の教師としての歩みをふまえつつ、実践報告をしてくれることになりました。
池田さんの実践報告から、さまざまなことを学べる、またとない機会です。
どうぞ、みなさん、お出でください。参加費無料です。

1 期 日    2018年3月18日(日)13:00?15:30

2 会 場   鶏鳴学園

3 実践報告
「生活綴方教師にあこがれて歩んできた高校教師としての33年間」
北海道 池田考司

(概要)1985年3月に明治大学を卒業し、北海道立高校教諭として勤め、33年が経とうとしています。
大学生時代、教育系サークルを立ち上げ、民間教育研究団体の実践家・研究者と出会い、具体的な理想の教師像を思い描き、学校現場に入りました。
 しかし、当時の高校は校内暴力の真っ盛りで、激しく「荒れる」生徒たちとのやりとりが教師生活最初の10年間でした。そこで考えたこと、生徒との関わりの切り口は、「なぜ、この生徒は荒れているのか?」「この生徒は何を訴え、何を求めているのか?」ということでした。そのような発想には、学生時代に読んだ生活綴方教師の著作も大きく影響しています。村山俊太郎、石田和男等の言葉を時々読み返して、「荒れた」生徒と向き合ったことが何度もありました。
 地方2校での勤務を経て、札幌の後発進路多様校に移り出会ったのは、休み時間に廊下でじっと立っている生徒、「人を信じられない」という生徒など、傷ついた心を持つ生徒たちでした。生徒の抱える「悲しみ」「生きづらさ」を聴き取り、寄り添い支援していく。その取り組みを学習指導の中で行っていく。それが札幌圏での2校18年間の日々でした。その時、考察と実践の土台になったのは、大学院での師でもある田中孝彦氏が立ちあげた臨床教育学でした。
 そして再び、地方の高校に出て4年勤務し、昨春、札幌圏の現任校に異動しました。どちらも「教育困難」校です。家庭が崩れ、愛されずにいる生徒たちの尊厳と生活をどう守り、支援していくのか。生活環境の再編をどう他職種の専門職とともに行っていくのか。そのことがこの5年間の中心テーマになっています。
 私の教育実践史と、底流にある生活綴方教育・臨床教育学についてお話しできればと思っています。

(池田考司プロフィール)
 北海道野幌(のっぽろ)高等学校(社会科)。大学非常勤講師。教育科学研究会副委員長。日本臨床教育学会事務局次長 【著書】◆『18歳選挙権時代の主権者教育を創る』(佐貫浩・教育科学研究会編共著)新日本出版社、2016年。 ◆『子どもの生活世界と子ども理解』(教育科学研究会編共著)かもがわ出版、2013年。 ◆『ジュニアのための貧困問題入門』(久保田貢編共著)平和文化、2010年。 ◆ 『教職への道しるべ』(姉崎洋一編共著)八千代出版、2010年。

4 参加費無料

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