高校作文教育研究会1月例会の案内
早いもので、今年ももう師走になりましたね。
作文指導の研究会ではこの3年余りの聞き書きの研究成果を本にまとめられるこ
とになりました。大修館書店からの刊行予定です。
乞うご期待。
さて、来年の会は、1月20日の例会から始動します。
1月は、山形県の県立高校で長く表現指導をされてきた安孫子哲郎さんの生活綴方運動への考察、神奈川の県立高校で表現指導をしている冨田明さんの聞き書きの実践、鶏鳴学園で中学生を指導している田中由美子さんの聞き書きの実践の報告です。
聞き書きは、今、高校生や中学生が自分と社会を見つめなおす、大きなきっかけを作ることのできる方法だと思います。
どうぞ、みなさん、おいでください。
1 期 日 2013年1月20日(日)10:00?16:30
2 会 場 鶏鳴学園
〒113?0034 東京都文京区湯島1?3?6 Uビル7F
? 03?3818?7405
FAX 03?3818?7958
ホームページ http://www.keimei-kokugo.net/
※鶏鳴学園の地図はホームページをご覧ください
3 報告の内容
(1) 夏の課題・職業人への聞き書き
神奈川県立有馬高等学校 冨田 明
毎年のように聞き書きを実践していますが、生徒が深いところまで考察して成長できたような作品になかなか巡りあえません。
今年6月の例会での正則高校・宮尾先生の実践も参考にし、2年生全員に職業人への聞き書きの課題を出しました。その事前指導の様子と出てきた生徒作品を読んでみたいと思います。
今年の全国教研のレポート「高等学校における「聞き書き」の実践―戦争体験者・職業人への―」も持っていき、合わせて討議できればと考えています。
(2) 聞き書きを読み合って深める
東京 鶏鳴学園中学生クラス担当 田中 由美子
開講から1年経った中学生クラスで、先学期初めて聞き書きに取り組み、4人の生徒全員が父親に仕事の話を聞きました。どの生徒も、これまで父親とそういう話をしたことがなかったので、まずは大切な一歩となりましたが、作文の具体性には大きな差が出ました。また、作文を読み合っての意見交換が、表面的なものでしかありませんでした。
考えてみれば、同じ中学生である本人の直接の経験ではなく、ベテラン社会人の未知の職業の話が間接的に書かれている訳ですから、突っ込み合うのが難しい面はあるでしょう。また、具体性については、父親の話す内容や姿勢に想像以上の差があり、それがそのまま生徒本人の姿勢でもあるように思われましたが、私自身も突っ込み方に迷いました。
しかし、4人の聞き書きが関係付けられずにバラバラのままでは、クラス内で聞き書きを読み合う意味がありません。どんな対話を、何のために、どう引き出し、どう深める可能性があったのか、考えたいと思います。
(3) 合はせ鏡?「生活綴方の光を現代へ」PART2
山形 安孫子 哲郎
いわゆる「比較文学」の領域に入るのだろうか。二冊の本を読み合わせることによって、それぞれの本の内容が、より鮮明な理解と、新たな感動をもたらす場合がある。その中から、今回は「生活綴方」と深く関わる本を取り上げ、「生活綴方」の現代日本社会における意味と役割を考察していきたい。
(1)『山びこ学校』と『遠い「山びこ」?無着成恭と教え子たちの四十年』
1951年に出版され、「戦後民主教育の金字塔」と言われた『山びこ学校』の華やかな光を浴びた表の顔と、その陰にある裏の顔が、佐野真一著の『遠い山びこ』と読み合わせることによって、浮き彫りになってくる。
(2)『小学教師たちの有罪』と『特高Sの時代』
生活綴方運動により、獄中生活を余儀なくされた国分一太郎。彼の遺書ともいえる、1984年に発刊された『小学教師たちの有罪』は、高島真著の『特高Sの時代』と読み合わせることによって、一太郎の書かずにはいられなかった執念が、その背景と共に強烈に浮かびあがってくる。
4 参加費 1,500円(会員無料)
申し込みは以下に
事務局メールアドレス sogo-m@mx5.nisiq.net