10月 23

上野の東京国立博物館(東洋館)で開催されている特別展「上海博物館 中国絵画の至宝」

先週金曜日に東京国立博物館に行ってきました。
東洋館でやっている特別展「上海博物館 中国絵画の至宝」を見に行ったのですが、
これはお奨めです。
久しぶりに「凄い」と思いました。

今は、東京国立博物館の平成館でも特別展「京都―洛中洛外図と障壁画の美」を開催していて、
・国宝 「洛中洛外図屏風 上杉本」狩野永徳筆(山形・米沢市上杉博物館蔵)
・重要文化財 「洛中洛外図屏風 舟木本」岩佐又兵衛筆(東京国立博物館蔵)
は大いに楽しめますが

私がぜひ勧めたいのは「上海博物館 中国絵画の至宝」です。
人間の精神について興味を持つ者は、必ず見ておくべきです。

これらの絵画は、人間の精神性の表現として、極北にあると思います。

日本にも山水画、南画、文人画がありますが、日本のものには甘えがあります。
そうした甘さを排除した厳しい世界がここにあります。

王朝が繰り返し滅亡してきただけではなく、異民族に何度も支配された漢民族の矜持と孤独が凝縮されてここにあります。

ホームページには以下のように紹介されています。
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中国でも最大規模の収蔵を誇る上海博物館。そのなかから、宋元から明清まで、約千年に渡る中国絵画を代表する名画を一堂に展示いたします。
初公開、一級文物をふくむ40件もの名品によって、五代・北宋から明清にいたる中国絵画の流れを辿ることのできるまたとない機会です。日本にはない、本場中国ならではの中国絵画の真髄をお楽しみください。
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私が感銘を受けた中から、3点のみを紹介しておきます。

(1)煙江畳嶂図巻(えんこうじょうしょうずかん)
王詵(おうしん)筆 北宋時代・11?12世紀 
[展示期間:前期 2013年10月1日(火)?10月27日(日)]

何も語りたくありません。見てください。

(2)山陰道上図巻(さんいんどうじょうずかん)
呉彬(ごひん)筆 明時代・1608年 

これにはぶっ飛びました。奇想派(エキセントリックスクール)と呼ばれるそうです。

(3)花鳥図冊(10開) 朱耷(八大山人) 1帖  清時代・康煕44年(1705)

限りなく深く、厳しい世界がここにあると思いました。

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