9月 02

8月が終わり、9月になりました。
異常気象が猛威を振るった夏が終わり、秋になって、学習に集中できるようになると良いと思います。
この夏はいかがおすごしでしたか。私はプラトンについて考え続ける夏でした。

今年は読書会で、1月、2月とプラトンの『国家』を読み、5月からヘーゲルの『哲学史講義』で、ソクラテス、プラトン、アリストテレスの部分を読書会で読み、7月にはアリストテレスの『詩学』も読書会で読みました。
その記録をまとめてもらっているので、その確認をして、メルマガに掲載する予定でしたが、それもできませんでした。そこでは、要するに、プラトンが「わからない」、ヘーゲルもプラトンをわかっていない、としか言っていないので、ただそのままを掲載するわけにはいかないと判断しました。。

そのため8月は、プラトン(ソクラテス)についてずっと考えてきました。
プラトンは最初から最後まで「対話篇」という形で自分の哲学を表現したが、それはなぜなのか。なぜ、自らは全く姿を現さないその形で書いたのか。対話篇とは悲劇に近い創作なのだが、他方で詩人をほぼ全否定するのはなぜか。『国家』では個人を抹殺しているように見えるが、ソクラテスの生き方を継承し発展させることとどう関係するのか。
ヘーゲルはこうした問題をどうとらえていたのか。

まず藤沢令夫の『プラトンの哲学』(岩波新書)。これは大いに学ぶものがありました。そしてこの本を一つの道案内として、プラトンのいくつかの対話篇について岩波全集版の解説を読み、全集版で「パイドン」を丁寧に読みました。「パイドン」の訳注をしている松永雄二にも学ぶことが多かった。
解説を読んだのは、プラトンの「パルメニデス」「テアイテトステ」「ソフイスト」「ティマイオス」。
これまでは日本の古代ギリシャの研究者では、田中美知太郎と藤沢令夫しか私は意識していませんでした。しかし、今回、他に松永雄二や加藤信朗、井上忠などがいることを知りました。

ヘーゲルの『哲学史講義』でソクラテスとプラトンは読み直しもしました(まだ最後まで終わりません)。

こうした結果、少しずつ少しずつ、自分の中で明らかになってきたものがあります。これをまずこの秋の読書会の中で、皆さんに説明したいと思います。

例えば、アリストテレスの『詩学』における「カタルシス」や「真似」とは、明らかにプラトンの考えをまっすぐに受けたものです。「カタルシス」は「パイドン」に繰り返し出てきます。「真似」については対話篇のあちこちに。

そうしたわけで、9月25日の読書会では藤沢令夫の『プラトンの哲学』(岩波新書)をテキストにします。

その後、プラトンの対話篇をいくつか読もうと思っています。
『ソクラテスの弁明』『パイドン』『国家』などです(まだテキストの版など未定)。また、再度ヘーゲルの『哲学史講義』です。

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1.9月読書会テキスト

9月25日の読書会のテキストは藤沢令夫の『プラトンの哲学』(岩波新書)です。
まずはテキストを購入して読んでみてください。
?の「2 なぜ『対話篇』なのか」という、そのものズバリの箇所もあります。
?以降は、難しいですから、流し読みで良いと思います。
全体として、プラトンとその哲学について、考えさせられる箇所がたくさんあると思います。

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2 9月以降の中井ゼミの日程は次の通りです。

月の前半は、文章ゼミ+「現実と闘う時間」を行い、
月の後半では、読書会を行う予定です。
いずれも日曜日で、午後2時開始予定です。
オンラインでの実施予定

「現実と闘う時間」は、参加者の現状報告と意見交換を行うものです。

参加希望者は今からスケジュールに入れておいてください。また、早めに申し込みをしてください。
ただし、参加には条件があります。

参加費は1回2000円です。

10月以降の読書会テキストはまだ未定です。決まり次第、このメルマガで連絡します。

9月
 11日
 25日

10月
 9日
 23日

11月
 6日
 20日

12月
 4日
 18日

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