5月 15
魂を鎮静する絵 バルテュス展の薦め
バルテュス展が開催されている。
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バルテュス展 Balthus: A Retrospective
東京都美術館
2014年4月19日(土)から6月22日(日)
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あまり期待しないで行ってみた。
ところが、すばらしかった。圧倒された。
彼の絵は少女が描かれることが多く、それを「ロリータ・コンプレックス」などと精神分析的な説明をする人たちがいる。
私はこうした手合いが大嫌いで、バルテュスには興味が持てないでいた。
しかし、そうしたチャラチャラした説明は、この絵とは無縁だと感じた。
ここにあるのは世界の本質に迫ろうとする意志と力だ。
それは何よりも、絵の構図とマチエール(画面の肌合い)によって実現されている。
当然セザンヌの影響があるのだろうが、私にはレンブラント、そして牛島憲之が思われた。
静謐、しかし圧倒的な力。
私の魂が鎮められていくのがわかった。深く深く内省へといざなわれる。そこに私の魂があり、私の本質があることがわかる。いつしか、それと向き合っているのがわかる。