7月 10

7月16日の読書会のテキストとスケジュールです

読書会は午後4時から6時。
報告会は午後6時から7時半。

テキストは
『西洋哲学史要』(未知谷)の
(1)中世哲学史の第2編(131?148ページ)→普遍と個別の問題です
(2)スピノザ(175?184ページ)→前回も取り上げました
(3)カント(217?248ページ)

月曜日のゼミで読んでいるヘーゲル『概念論』を理解する上での前提を、確認したいと思います。

これをふまえて、
秋からの読書会で、スピノザ(『エティカ』)とカント(『純粋理性批判』)の著作を実際に読むことも考えています。

5月 31

6月の読書会

 日時:6月18日(土) 午後3時より5時まで 鶏鳴学園にて 
 テキスト:山田孝雄『日本文法学要論』(書肆心水)・野村剛史「常識としての山田学説」(『現代の山田文法』(ひつじ書房)所収)
 参加費 三千円

6月の読書会では、山田孝雄(よしお)の文法書、および、野村剛史(たかし)の山田文法論を取り上げます。発表担当は松永です。

山田は、明治生まれの日本語学者で、日本語文法の研究者として、今なお最大の巨人と言われます。これまで言語学学習会で読んできた野村剛史(松永の指導教官)も、山田文法を継承しています。その批判的継承として書かれたのが、「常識としての山田学説」です。

山田文法の核心は、「文」は判断である、という文観にあります。「犬が歩いている」「山田は学生である」のような文の場合、対象(事実)としては一体であるはずのものが、主語と述語に分裂して表れます。それが判断の表現です。

しかしその一方で、山田は、「まあきれいな花」のような、話者の感動と対象が一体となって表れた文(喚体文)の存在も強く主張しています。ここには一見して、主語も述語もありません。するとこれは判断ではないことになります。

それに対して野村は、「まあきれいな花」の中にも、さらには名詞「花」の中にさえ、判断を見ます。

今回の読書会では、山田の本と野村の論文をテキストに、文と判断との関係をテーマとして考えます。考えるべき問題は、下記の諸点にあります。

・名詞の判断と動詞の判断の違い、両者の交渉
・描写と説明の違い、両者の交渉
・主語と述語
・主語ならぬ要素(目的語など)と述語との関係は判断ではないのか? 

※山田の本は、全体で280ページありますが、十五章「喚体の句と述体の句との交渉」まで(178ページまで)を扱います。野村の論文は、30ページ程度です。

5月 09

5月以降のゼミのスケジュールが決まりました。

関心のある方は、今から日程調整や、テキスト購入などの準備をしてください。

参加希望者は、前もって以下に申し込みください。
 読書会、文章ゼミ、月曜日のゼミなど、すべての参加費は1回3000円です。

なお、初めての参加者には、事前に「自己紹介文」を書いていただいています。

 1. 簡単な履歴(年齢、大学・学部、仕事など)
 2. 何を学びたいのか
 3. どのようにこの学習会を知ったのか、なぜこの学習会で学びたいのか
 
 などを書いて、以下にお送り下さい。
 E-mail:sogo-m@mx5.nisiq.net

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(1)5月以降の読書会と文章ゼミのスケジュール

読書会は、原則は午後5時から開始。7時からは、参加者の報告と意見交換の時間があります。
文章ゼミは午後5時開始です。

5月
   21日 読書会 

 6月
  4日 文ゼミ
  18日 読書会

 7月
  2日 文ゼミ
  16日 読書会

 8月
  18?21日(予定) 合宿

 9月
  17日 文ゼミ

 10月以降は未定。

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(2)読書会のテキスト

☆5月21日 読書会 

ヘーゲル『精神現象学』の「理性論」を翻訳で読みます。
 
範囲はヘーゲル『精神現象学』の第3部第5章「理性論」の第1節です。

テキストは牧野紀之訳、未知谷からの刊行版を使用します。購入するか、図書館でかりるなりしてください。

「理性」の段階とは、夏目漱石の「私の個人主義」(『漱石文明論集』岩波文庫に収録)でいうところの、他者本位から自己本位への大転換後の段階で、「先生を選べ」を自覚的に行っている段階と言えるでしょう。

☆6月18日 読書会

 テキスト:山田孝雄『日本文法学要論』(書肆心水)

日本語とは何か、言語とは何かを考えるシリーズです。
明治以降の日本語論で最高最大の功績を残しているのが山田文法です。それに取り組みます。
 テキストは高価なので、図書館で借りるなどしてください。
 必要箇所はコピーをお渡しする予定です(実費をいただきます。)

☆7月16日 読書会

 福沢諭吉の『文明論の概略』(岩波文庫)を読みます。
 これは日本の近代化を考える上での必須のテキストであり、政治、経済、文化などのあらゆる面での、日本の近代化の諸問題を考えるための、前提となるテキストです。
 明治時代のその諸問題が、実は、今の私たちの諸問題の根底に「未解決」のまま横たわっているのです。

これは、内容充実のテキストなので、数回に分けて読みたいと思います。

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(3)毎週月曜日のゼミは5月16日から開始します。

午後5時からはヘーゲルの原書講読で
『小論理学』の「概念論」を読みます。毎回3ページほどを読みます。

ドイツ語の初心者のために、午後3時からドイツ語の指導の時間もとっています。

午後7時からは、関口存男『定冠詞論』を毎回80?100ページずつ読みます。
5月は、第2編からです。
参加者にはテキストはコピーしたものをお渡しします。(実費をいただきます。)

4月 18

春の合宿の案内

新緑の美しい季節が来ますね。

その季節に、山梨県の八ヶ岳の麓の清里で、合宿を行います。
ヘーゲルの『精神現象学』の理性論を読み、各自の報告会や文章ゼミも行います。
一部だけの参加も可能です。
関心のある方は連絡ください。

(1)日程
 5月3日?5日 

(2) 学習メニュー
翻訳(牧野紀之訳 未知谷)でヘーゲル『精神現象学』の第3部第5章「理性論」の第1節を読みます。
晩には、文章ゼミ、報告会(現実と闘う時間)を行います。
そこで、基本文献(『生活の中の哲学』『先生を選べ』『ヘーゲルの修業』など)について説明し、一部は読みます。

合宿への参加希望者は、前もって以下に連絡ください。
 詳細をお伝えします。
ただし、初めての方は、事前に「自己紹介文」を書いて送ってください。

 1. 簡単な履歴(年齢、大学・学部、仕事など)
 2. 何を学びたいのか
 3. どのようにこの学習会を知ったのか、なぜこの学習会で学びたいのか
 
 などを書いて、以下にお送り下さい。
 E-mail:sogo-m@mx5.nisiq.net

1月 25

 読書会の日程の変更

 1月の読書会の日程を、29日(土曜)に変更します。
 3月の読書会の日程を、21日(月曜・祝日)に変更します。
 2月は変わりません。

 つまり、以下になります。

 1月15日 文ゼミ
   29日 読書会

 2月12日 文ゼミ
   26日 読書会

 3月12日 文ゼミ
   21日 読書会

 なお、読書会テキストですが、1月?3月はアリストテレス哲学の
神髄、「形而上学」(岩波文庫・上下)に挑戦しようと思います。
その視野の広さ、その思考の圧倒的な高さ。ヘーゲルが惚れ込んだ
アリストテレスの凄みを直接に味わってみましょう。
テキストはアリストテレス著「形而上学」(岩波文庫上下)

 以下の順に読みます。

 1月29日 12巻[35ページ](岩波文庫・下巻)
       1巻[50ページ](岩波文庫・上巻)

 全体を見渡すのには、12巻がベストです。これはアリストテレス自身による
全体の要約と言ってよいでしょう。ヘーゲルも『哲学史』で、ここを使用しています。

 そして、導入的な意味で、1巻も読みましょう。アリストテレスが
自らの師プラトンを全面的に批判しています。
この批判のすごさからも学ぶことが多いと思います。

 2月26日 3巻[約30ページ]、7,8巻[約100ページ](岩波文庫・上巻)
       9巻[約30ページ](岩波文庫・下巻)

 この「形而上学」は3巻で問題提起し、その前半に答える形で、
3,4,6巻、後半に答える形で7,8,9巻があるようです。
補足が10,13,14巻。

 この7,8,9巻が、「形而上学」の核心部分だと思います。
変化、発展の論理と、個別に内在する本質とを結びつけて展開します。
すごいです。

 3月21日 4,6巻[約50ページ](岩波文庫・上巻)
       10,13,14巻[約120ページ](岩波文庫・下巻)

 3巻の問題提起の答えの内で、7,8,9巻以外の部分を読みます。

 なお、波多野精一の『西洋哲学史要』(牧野再話、未知谷版)で
アリストテレスの箇所(74?87ページ)を読んでおくとわかりやすいでしょう。
アリストテレスの核心だと思う点は、メルマガ179号で書きました。
是非、読んだ上で、アリストテレスにアタックしてみてください。

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