5月 12
5月以降の読書会テキストと、ゼミ日程を案内します。
ゼミは当面はすべてオンラインで行います。
私の初めての哲学本『ヘーゲル哲学の読み方 ?発展の立場から、自然と人間と労働を考える?』が4月に刊行されました。
引き続いて、次はマルクスの唯物史観と唯物弁証法についてまとめる予定です。
5月以降の読書会では、そのために必要なテキストを読んで確認していくことになります。
5月24日の読書会(開始時刻が午前9時になります)
マルクス「フォイエルバッハ・テーゼ」、牧野「フォイエルバッハ・テーゼの1研究」「労働と社会」の関連する部分を範囲とします。
中井の原稿「マルクスの『フォイエルバッハ・テーゼ』から考える」を検討することを、もう1つの柱とします。
6月
マルクスの『経済学・哲学草稿』(岩波文庫)から
「疎外された労働」「ヘーゲル弁証法と哲学一般との批判」を読みます。
7月
中井の『ヘーゲル哲学の読み方』を検討します。
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5月以降のゼミ日程
毎回午後2時開始です。
月の前半は、文章ゼミ+「現実と闘う時間」を行い、
月の後半では、読書会を行う予定です。
「現実と闘う時間」は、参加者の現状報告と意見交換を行うものです。
参加費は1回2000円です。
参加希望者は早めに連絡ください。
ただし、参加には条件があります。
また、変更がありえますので、必ず確認してください。
5月
24日(この回のみ午前9時開始です)
6月
7日
21日
7月
5日
19日
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ヘーゲル・ゼミをウェブで行っています。
ヘーゲルの『小論理学』の理念論を原書で読みます。
関心のある人は連絡ください。
参加希望者は早めに申し込みをしてください。
ウェブでの参加方法も、事前に指導します。
ただし、参加には条件があります。
参加費は1回2000円です。
4月 10
私の初めての哲学本が4月25日刊行です。
タイトルは
『ヘーゲル哲学の読み方』
サブタイトルは
「発展の立場から、自然と人間と労働を考える」
出版は社会評論社
270ページほど
定価は2300円(+消費税)です。
参考にしていただくために
目次と前書きにあたる文章(「読者に」)を以下に掲載します。
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目次
第1部 発展の立場
第一章 ヘーゲルの時代とその課題
第二章 発展とは何か
第2部 ヘーゲル論理学の本質論と存在論
第一章 ヘーゲルの論理学における本質論
第二章 存在論における「変化」 存在とは何か 変化とは何か
第三章 本質論の現実性論
第四章 ヘーゲルの三つの真理観 本質と概念の違い
第3部 物質から生物、生物から人間が生まれるまで
第一章 物質から生物への進化
第二章 生物から人間が生まれるまで
第4部 ヘーゲル論理学と概念論
第一章 ヘーゲルの論理学と労働論(目的論)
第二章 普遍性・特殊性・個別性と、概念・判断・推理
第5部 人間とは何か
第一章 人間と労働
第二章 自然の変革 ?自然への働きかけから自己意識が生まれ、「自己との無限の闘争」が始まる
第三章 社会の変革
第四章 個人としてどう生きるか 私たちの人生の作り方
第五章 人間の概念、人間の使命
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読者に
本書の読者として想定しているのは、哲学の専門家ではありません。
日々の生活の中で直面した問題を本気で考え、困難な現実と真剣に戦っている方々こそ、私の読者だと思っています。
その人たちに届く言葉で、届くように語ろうとしました。
それでもヘーゲル哲学は難しく、私の理解がまだまだ及ばないところがあり、それゆえに難しい用語が並び、
読むのが困難だとしか感じられないところがたくさんあると思います。
そこで、全体の構成と私の意図を最初に説明します。これを念頭において読んでいただければ、
闘うための武器としてのヘーゲルゼミ哲学の項目リストができるはずです。
まず、第1部を読んでください。これが本書を読んでいただくための前提となります。
第2部はヘーゲルの論理学の内の本質論と存在論の説明です。ここはヘーゲル哲学を読む上で、
どうしてもクリアーしておかなければならない部分なのですが、前提となる哲学用語の知識がないと、最も難しいところです。
全体を飛ばすか、流し読みをするとして、第4章だけはしっかり読んでください。
これがヘーゲル哲学が現代を生きる人にとっての最大の武器になるところだからです。
本質と概念の違いは大切です。
さらに可能なら、第1章の(9)の根拠の限界と、その克服の方法(7)、
第3章の(4)の偶然性と必然性の区別には目を通してほしいです。
読者のみなさん自身で、日々の経験を例にして考えていただけば、
諸問題の本質や解決策を考える上でヒントになることがたくさんあると思います。
第3部では具体的に、物質から生物、生物から人間が生まれるまでの過程を追いました。
生物に関心がない人は飛ばしても大丈夫です。
第4部は第2部を受けて、ヘーゲル論理学の全体とその概念論の説明です。難しければ飛ばしてください。
第5部が本書の本丸です。人間とは何か、私たちはどう生きるべきかを考えています。
その際、自然と人間、その両者をつなぐ労働という3者の関係で考えています。
人間が自然に働きかける際には、人間社会自体を変革することを媒介としています。ですから、
第2章に自然の変革が、第3章に社会の変革が置かれています。最後に、個人の人生と、人間の使命を示して終わっています。
難しいところは飛ばしながら、骨子を考えてみてください。
ヘーゲル哲学の概説書、解説書は、多数あります。本書もそうした形式をとっていますが、
概説書や解説書を書いたつもりはありません。私がヘーゲル哲学を紹介したいのは、
それが現代社会の中で生きて戦っていくうえで、それを根底から支える武器として、最大、最高のものだと思うからです。
ヘーゲル哲学とは、一言でいえば、発展の立場であると思います。
自然も人間も、私たちの社会も、すべてが発展によって生まれ、運動し、
対立と矛盾による消滅を繰り返してきたものなのであり、
それを理解するためには発展として理解しなければならない。
そうでないと、諸問題の理解ができず、問題と本当に闘っていくことができなくなる。
だから、ヘーゲルは発展とはどのような事態であり、発展として物事を理解するとはどういうことなのか、
それを明らかにしようとしました。
また闘う際には、できる限り、本質に即して、有効に闘い抜きたい。
そのためには、自分自身と、他者や社会とどう関わっていくかが大きな問題です。
ヘーゲルは人間の本質を「自己との無限の闘争」をする存在としてとらえました。
本書ではそれをできるだけ簡潔にわかりやすく描こうとしました。
本書が解説書ではないというもう1つの理由は、ヘーゲル哲学をありのままに説明するのではなく、
そこに潜在的(an sich)にあるにとどまっているものをも、
現代の中に発展させた形で示すことをめざしたからです(これが本当の批判です)。
それができなければ、ヘーゲル哲学の概説や解説をしたことにはならないでしょう。
発展について語りながら、発展させる能力を持たない人間を、読者は信用できないでしょうから。
本書で示したことは、ヘーゲルの中にそのままあるか否かに関わりなく、
本来の発展という考え方から当然出てくるものを、私に可能な限り明確に、簡潔に表そうとしたものです。
当然その中には、ヘーゲルへの批判も含まれています。
それは、私には、本来の発展の本来の考え方からの逸脱に思える部分であり、
ヘーゲルの世間への妥協、彼の弱さの現われに見える箇所です。
そうした個人の事情はあったにしても、大きくは時代の限界としてとらえるべきでしょう。
私たちは、現代の立場から、ヘーゲルの先に進まなければならないはずです。
他に、マルクス、エンゲルスについても言及しましたが、ヘーゲル哲学に対しての態度と同じスタンスで臨んだつもりです。
読者もまた、本書に対して、同じスタンスで読んでいただけるようにお願いします。
4月 08
政府の緊急事態宣言を受け、この宣言が解除されるまでは、全部のゼミをオンライン(ウェブ会議)で行います。
オンラインは簡単に参加できます。
ただし、マイク付きイヤホン、またはヘッドセットを用意してください。
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4月以降のゼミ日程
月の前半は、文章ゼミ+「現実と闘う時間」を行い、
月の後半では、読書会を行う予定です。
5月以降の読書会テキストは決まり次第、連絡します。
「現実と闘う時間」は、参加者の現状報告と意見交換を行うものです。
参加希望者は今からスケジュールに入れておいてください。また、早めに申し込みをしてください。
ただし、参加には条件があります。
参加費は1回2000円です。
4月の後半の読書会も開始は午前10時になると思います。
4月
12日
19日読書会は午前10時から
5月
10日
24日
6月
7日
21日
7月
5日
19日
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4月の読書会テキスト
4月の読書会テキストは、マルクス『資本論』第1巻の第1篇「商品と貨幣」と第2編「貨幣の資本への転化」(『資本論』?)です。
難解な『資本論』の中でも、第1篇「商品と貨幣」は一番難解とされています。
ここは商品交換から貨幣が生成した必然性の証明をしたとされ、よくヘーゲルの始原論と比較されます。
第2篇「貨幣の資本への転化」と合わせて、商品交換から貨幣、貨幣から資本が生成した必然性が展開されているかどうかを考えてみます。
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マルクス・ゼミをウェブで行っています。
マルクスの『資本論』第1巻で、読書会では読めなかった部分を読みます。
原則として毎週火曜日午前9時から開始。3時間ほどです。
参加希望者は早めに申し込みをしてください。
ウェブでの参加方法も、事前に指導します。
ただし、参加には条件があります。
参加費は1回2000円です。
4月 04
生誕140年記念
津田青楓とあゆむ明治・大正・昭和展
練馬区立美術館
津田青楓。私はこの画家を知らなかった。
「文豪夏目漱石に愛された」画家とのこと。
いい絵がたくさんあった。
彼の絵は、その作風を大きく2回変えている。
彼には、大きくは3つの時代があったようだ。
1つは「文豪夏目漱石に愛された」画家として、夏目やその仲間たちの本の装丁などを一手に引き受けていた時代。
彼は日本画と洋画の2つともに学んでいて、さらにはデザイン画を多数書いていた。そして、夏目と出会う。木曜会のメンバーとの交友があった。
その後、昭和初頭には、経済学者河上肇との関りがあり、社会主義に大きく傾倒した。
特高に虐殺された社会主義者をキリストになぞられたような『犠牲者』はすごい。
そして思想弾圧の下で「転向」宣言し、洋画を捨てる。
その後は、南画の世界に移行し、良寛和尚にも影響を受けた精神世界を描いている。
日本の明治から昭和を、その核心部分と関わりながら生きた人だと思う。
洋画と南画の2つの世界をもって生きたところは、萬鉄五郎を思い出させた。
「転向」後に、身を寄せる場所として、南画という世界があったことをどう考えるべきか。
この問いが残された。
関心のある人には、是非お薦めしたい展覧会である。
4月12日までだが、
コロナ対応で、土日は休館しているので注意。
3月 20
私の初めての哲学本が4月10日刊行予定です。
タイトルは
『ヘーゲル哲学の読み方』
サブタイトルは
「発展の立場から、自然と人間と労働を考える」
出版は社会評論社
250ページほど
定価は2200円(+消費税)の予定です。