11月 05
村山士郎氏(日本作文の会常任委員会副委員長)の特別講演会
◆◆東日本大震災のため延期しておりました村山士郎氏(日本作文の会常任委員会副委員長)の特別講演会を12月11日に実施します。◆◆
村山 士郎 先生 特別講演会
?「聞き書きの魅力と指導法」連載終了記念?
高校作文教育研究会12月例会
演 題 事実をとらえることの豊かさとおもしろさ
― 生活綴方実践から大学教育実践まで ―
高校作文教育研究会は、1998年2月に会を設立して以来、13年になります。この機会に、私たちの実践と研究をまとめようということになり、最も自信があった聞き書きについて取り上げることになりました。聞き書きは、高校生にとって学ぶものがほんとうにたくさんあると実感していたからです。
そこで2年間ほど、研究会のテーマを「聞き書き」として、私たちの例会に全国の中学、高校、大学のすぐれた実践家17人をお招きし、聞き書きの可能性、授業で実践する際の具体的手だて、その課題などを検討してきました。
その成果は、「聞き書きの魅力と指導法」と題して『月刊国語教育』(東京法令出版 2009年7月号?2011年3月号)に連載してきました。
約2年間、21回続いたこの連載の終了を記念して、村山士郎氏の特別講演会を開催します。
私たちの共同研究の成果をふまえて、さらに深めるための特別学習会です。
どうぞ、ふるってご参加ください。
村山氏からのメッセージ
貴研究会で京都の八ヶ峰中学の実践に注目し、そこから「聞き書き」の今日的可能性を引き出そうとしていること興味深い視点だと思っています。80年代に私が注目した時には、学校ぐるみの平和教育としては注目されていましたが、私がもっとも大切だと思っていた表現の発達論的視点からの着目は希薄であったと記憶しています。
生活綴方実践や私の仕事である大学教育実践において、今日、「事実をとらえること」の多面的な試みが不可欠になっています。言い換えると子どもや学生を「事実に向きあわせること」が学習主体に育てていくということです。ここに学びの原点があると思っています。その方法の一つに「聞き書き」が位置付くのかと思っています。
私の教育学研究では、この間、「事件のなかの子どもたち」をテーマにして論文や本を書いてきましたが、その研究方法の前提には「事実と向きあう」、「事実を聞き取っていく」ことを大切にしてきました。しかし、八ヶ峰中学の生徒のようには表現出来ないもどかしさを抱えてきました。
学習会では、上のようなことを、まとまりなく話してみたいと思っています。
村山士郎氏のプロフィール
1944年 山形県に生まれる
1977年 東京大学大学院教育学研究科博士課程修了
現在 教育学博士、大東文化大学教授
日本作文の会常任委員会副委員長
主な著書 『生活綴方実践論』(青木書店、1985年)
『平和を語る学校』(編著、労働旬報社、1986年)
『子どもの攻撃性にひそむメッセージ』(柏書房、1999年)
『なぜ「よい子」が暴発するか』(大月書店、2000年)
『事件に走った少女たち』(新日本新書、2005年)
『現代の子どもと生活綴方実践』(新読書社、2007年) ほか多数
1 期 日 2011年12月11日(日)13:00?16:30
2 会 場 鶏鳴学園御茶ノ水校
東京都文京区湯島1?9?14 プチモンド御茶ノ水301号
? 03(3818)7405 JR御茶ノ水駅下車徒歩4分
※鶏鳴学園の地図はhttp://www.keimei-kokugo.net/をご覧ください
3 内容
(1) 特別講演 村山士郎「事実をとらえることの豊かさとおもしろさ
― 生活綴方実践から大学教育実践まで ―」
(2) 報告
共同研究を終えて 茨城 古宇田栄子
約2年間、共同研究の成果を、「聞き書きの魅力と指導法」と題して、『月刊国語教育』に連載してきました。連載を始めてすぐに、題名を「聞き書きの魅力と指導法」ではなく「聞き書きの魅力と可能性」とすべきであったと気付きました。それほど聞き書きの世界は、未知と可能性に満ちていました。共同研究では17人の実践とその生徒作品を検討しました。今回は、連載の終了を記念して、共同研究の概要、論点、そこで出会った実践家たちの珠玉の言葉等を紹介したいと思います。
参加費 1,000円(会員無料)
9月 22
8月29日に立花隆氏へのインタビューをし、8月30日に塩野米松氏と対談をした。いずれもテーマは「聞き書き」で、大修館書店のPR誌のためのものだった。
大修館書店は高校の国語教師を対象にPR誌『国語教室』を年2回ほど刊行している。その94号(秋の号)で 特集として「「聞き書き」の可能性」を組むことになった。
立花氏へのインタビューはその巻頭におかれる予定だ。塩野米松氏との対談は特集の柱の一つになる。
2 「聞き書き」は一人語りという文芸だろうか
塩野米松氏は作家で、聞き書きの手法を駆使して『木のいのち木のこころ―天・地・人』 (新潮文庫) 、『木の教え』『にっぽんの漁師』など、多数の本を出版している。
『木のいのち木のこころ―天・地・人』は、法隆寺の修復にたずさわり「最後の宮大工」といわれる西岡常一氏、その高弟小川三夫氏、小川氏の工房の弟子たちへの聞き書きをまとめたもの。宮大工の仕事を通して、仕事、人生、文化・伝統、師弟関係などのテーマに深く切り込んだすぐれた本だ。
その氏が高校生の「聞き書き甲子園」を主催しており、それは今年で十年目を迎える。
「聞き書き甲子園」は、環境保護運動と「聞き書き」の手法をドッキングさせたものだと思う。「日本全国の高校生が森や海・川の名手・名人を訪ね、知恵や技術、人生そのものを「聞き書き」し、記録する活動です」と主催団体のHPにある。
塩野氏は、「教育」「国語」という言葉に疑問を持ち、「教育」の手段として「聞き書き」を位置づける事への反撥を持って、対談に臨まれた。したがって、意見の対立から話は始まったが、面白い内容になったと思う。
塩野氏は一人語りによる「文芸」として、聞き書きを紹介している。私はそれも1つのあり方と認めた上で、もっと広く社会科や理科などの問題解決をも視野に入れながら、現地で取材する活動から考えていく手法として考えたい。文芸とすると「国語」科の独占物のようになってしまう。それでは社会科や理科と国語科といった縦割り構造を強化してしまうだろう。これからの課題はそうした境界をこわし、相互乗り入れをすることで、本来の問題解決、主体的な学習の手法をめぐって意見交換を行うことだろう。それをうながすような手法と考え方を提案したいと思う。
私は、「聞き書き」を、何よりも、高校生の問題意識を拡充する強烈な武器として、とらえている。
そのためには、一人語りの文体よりも、高校生たちが自分の考えや疑問を直接に書くことができるような文体が必要だと思う。
それはインタビューの様子を再現するような形式、問いと答えの形式などになると思う。
詳しくは、『国語教室』94号を読まれたし。
9月 21
8月29日に立花隆氏へのインタビューをし、8月30日に塩野米松氏と対談をした。いずれもテーマは「聞き書き」で、大修館書店のPR誌のためのものだった。
大修館書店は高校の国語教師を対象にPR誌『国語教室』を年2回ほど刊行している。その94号(秋の号)で 特集として「「聞き書き」の可能性」を組むことになった。
立花氏へのインタビューはその巻頭におかれる予定だ。塩野米松氏との対談は特集の柱の一つになる。
1 「雑誌記者」としての立花隆
立花氏は1990年代に東大の教養学部でゼミ生たちに「調べて書く」ゼミを3年ほど行った。その活動の大きな柱が「聞き書き」であり、それは『二十歳のころ』(新潮社文庫、現在はランダムハウス講談社文庫から出ている)にまとめられている。
「青春期をいかに過ごすかが、その後の人生を決める。
1960年から2001年に二十歳を迎えた多士済々41人に、東大・立花ゼミ生が切実な思いを込めてインタビュー。
これから二十歳になる人、すでに二十歳を過ぎた人、新たなチャレンジをしようとしている人全てに贈る人生のヒント集」。
こう出版社の紹介文にある。
この方針の意図、結果、その評価、課題などを聞くことが目的だった。
そのナカミについては『国語教室』を見ていただくとして、
立花氏については、1点気になっていたことがある。
以前から「知の巨人」といった評価があり、他方でそれへの強い批判もある。
実際はどうなのだろうか、という疑問だ。
インタビューで感じたのは、彼の本質は「雑誌記者」だということだ。文芸春秋で雑誌記者、雑誌編集者としてのあり方、能力を徹底的に鍛えられ、また新人を教育した。当時「鬼軍曹」といわれていたらしい。
それを、大学教育でも実践したのが、彼の東大での立花ゼミの教育活動だったようだ。
これが彼の本質だろう。そして、その後の彼の多様な活動は、すべてその基礎の上に、どこまでも自分の興味関心のママに、面白い対象を追求していった結果なのだと思う。(例外は田中角栄裁判の傍聴記録で、これは社会的使命感から行ったようだ)
彼の凄さは、その徹底ぶりにある。
つまり、立花氏にはもともと「知の巨人」といったところはないし、それをめざしてもいない。そういう人を「知の巨人」と持ち上げるのもバカげているが、それに反撥して、そうでないことを証明することにやっきになることも、虚しい作業だと思う。
7月 28
実践報告・実践記録の発表の場をつくりましょう
2011年3月で、『月刊 国語教育』誌が休刊になりました。
全国の中学・高校の国語科の先生方にとっては、この雑誌が唯一の実践を発表する場でした。それを失ったことで、途方に暮れている方が大勢いることを知りました。
私たち高校作文教育研究会は、年3、4回の例会と夏の全国大会で「報告と討議」の場を提供してきました。
そして、それに加えて、これまで年数回発行してきた機関紙を、実践記録を発表する場として提供することに決めました。微力ながら、『月刊 国語教育』誌が果たしてきた役割の一部でも引き受けようというわけです。
この体制をつくるために、秋から、機関紙の編集長は程塚英雄さんにお願いすることになりました。
程塚さんは、すでに、長い期間にわたって、こうした編集をしてきました。その程塚さんの力を得て、充実した実践記録集を年数回出していくつもりです。
程塚さんは、そのために、現在メールとパソコンの操作を学習しているところです。
私たちの会員になっていただければ、入会金2千円、年会費5千円で、実践報告と実践記録を発表する場を得られ、全国の実践家や研究者と交流することでできます。
この機会に、どうぞ会員になって下さい。
また、積極的に機関紙への投稿をお願いします。
高校作文教育研究会 代表 中井浩一
連絡先
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中井浩一
〒113?0034
東京都文京区湯島1?9?14
プチモンドお茶の水301号
鶏鳴学園
? 03?3818?7405
FAX 03?3818?7958
ホームページ http://www.keimei-kokugo.net/
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7月 26
この夏、全国の3箇所で、小論文に関する講演をします。
第一学習社主催の小論文に関する講演会です。
新しい学習指導要領がもたらす大きな変化と可能性の話から初めて、小論文に関する一般的な考え方について話をします。
その上で、具体例として、昨年の指導例をお話しします。聞き書きから、その一般化による小論文指導の例です。
以下の日程です。
■7月27日(水) 横浜駅「かながわ県民センター」
第一部講演 13:00?14:30
■8月2日(火)静岡コンベンションアーツセンター・グランシップ(最寄駅は東静岡駅 徒歩5分)
第一部講演 13:30?14:30
第二部座談会 14:50?16:30
■9月2日(金)札幌市教育文化会館(最寄駅 札幌駅)
第一部講演 13:30?14:30
第二部座談会 14:50?16:30
参加希望者は以下に問い合わせをしてください。
第一学習社 教育部
小論文事業部
〒113-0023
東京都文京区向丘2-28-12
TEL 03-5803-2134 FAX03-5803-2137