7月 07
程塚英雄さんを偲んで
追悼学習会のお知らせ
高校作文教育研究会
程塚英雄さんが亡くなられて1年になります。亡くなられたのは昨年の4月4日でした。
程塚さん(昭和12年生まれ)は、高校教師として長い間作文教育の実践と研究をされてきました。
程塚さんの退職の年に設立された本会には創立者の一人として参加され、東京で開いていた例会には皆勤でした。
退職後も講師として勤務、意欲的に実践を生み出され、本会の活動を実践と研究の面でリードしてくれました。
ここに追悼学習会を開いて、在りし日の程塚さんを偲ぶとともに、
程塚さんの実践から学んだことや、引き継いでいきたいことを語り合いたいと思います。
多くの皆様方のご参加をお待ちしています。
1 期日 2015年7月12日(日)午後1時?4時
2 会場 鶏鳴学園
3 内容
3?1 程塚さんの実践に学ぶ
宮尾 美徳(東京 私立正則高校)
古宇田栄子(茨城 元高校教師)
中井 浩一(東京 鶏鳴学園)
3?2 全体討論…参加者の感想と意見
3?3 追悼学習会に参加して…程塚節子さん(茨城)
9月 25
高校作文教育研究会10月例会
今回の例会では3つの報告を予定しています。
1つめは生活綴方運度の歴史と思想を、大田堯氏の論文をテキストにして学習します。今、私たちが直面している問題のほとんどすべては、個々の先人たちも直面していた問題であり、先人たちはめいめいがその苦闘からそれぞれの解決策を模索し、さまざまな議論が行われました。そしてその過程から少しずつ理論と実践を深めてきました。その歴史から学ばないものは、低レベルの実践を繰り返すだけだと思います。この学習会は3回連続で行う予定です。
2つめは、中俣勝義さんいよる、鹿児島の看護専門学校での実践報告です。そこには、今の日本の貧困問題が横たわっています。この問題と正面から戦っている実践です。
3つめは私(東京の私塾・鶏鳴学園 中井浩一)の実践と問題提起です。高校段階でもしばしば経験したことにちて書かせると思いますが、その意味や、その書かせ方(文体など)について考えてみたいと思います。
みなさんの実践に参考になるヒントがたくさんあると思います。どうぞ、みなさん、おいでください。
1 期 日 2014年10月19日(日)10:00?16:30
2 会 場 鶏鳴学園
3 報告の内容
(1) 生活綴方の歴史と思想を学ぶ(第1回)
茨城 古宇田栄子
戦後、生活綴方はどのように復興し、教育運動の中心的存在となっていったのか。生活綴方の基本理念とは何か。著名な教育学者大田堯氏の次の論文を読んで、生活綴方の歴史と思想について学習します。
『大田堯自撰集成』第2巻第?章生活綴方の思想 P271?363
第?章には次の4本の論文が入っています。
?戦後の教育運動と生活綴方 P271?283 13頁
?地域の教育計画(注:若い教師NのT村における実践) P284?335 52頁
?生活綴方における「生活と表現」ー佐々木昂の仕事をふり返りながらー P336?P354 19頁
?人間的なものと科学的なものー『山びこ学校』をめぐって P355?363 9頁
全体で93ページと長いものですので、3回に分けます。今回は、?、?について学習します。
あらかじめ資料をお送りしますので、読んできてください。
参加予定者は10/5までに古宇田までご連絡ください。すぐに資料をお送りします。6月例会参加者にはすでにコピーを配布してあります。
(2) 貧困の自己責任論を乗り越える
神村学園専修学校非常勤講師 中俣勝義
桜子は『蟹工船』を学ぶなかで、なかなか労働者の実態、ましてや自分の家の暮らしには目を向けようともしなかった。そこには根強い「いくら頑張ってもダメな自分」という「自己責任論」が影を落としていた。
生活綴方とは、何よりも生活意欲の喚起であり、生活をよりよくしようとする気持ちを育てることでなければならない。とすると、桜子にその手立てはあったのか。
今回は、『蟹工船』という文化をもった学生が暮らしを書くなかで、ダメな自分を乗り越え、自分たちをダメにしている社会を変えようと、少しだけど考え始めた桜子のことを語りたい。
併せて、多感な思春期に、どんな文化を身につけさせることが大事かをも提起しておきたい。
(3) 経験を描写で書く
東京 私塾・鶏鳴学園 中井浩一
高校段階でも、さまざまな機会に経験を書かせていると思う。「自分史」や生活経験を見つめる作文、行事やクラブなどの作文、職業体験や社会活動などの作文。
では、その作文はどのような文体で書かせているのだろか。小説のように描写を中心に書かせているだろうか。それとも意見文のような文体で書かせているのだろうか。
否、ほとんど無自覚で、何ら指導がないままに適当に書かせているのではないか。
経験の作文を、どのような文体で書かせるかは、その指導目標や、表現指導全体で何を目標にするかに関わる問題だと思う。
経験を書くように求めると、高校生は、普通は意見文のように書く。それの何が悪いのか。小説のように描写を中心に書かせるのは、何の目的があるのだろうか。
実際の指導過程と成果(生徒作品)を検証し、この問題を一緒に考えていただきたい。
4 参加費 1,500円(会員無料)
5月 14
高校作文教育研究会6月例会
表現指導には、実にさまざまな取り組み方があります。また、高校には多様な学校があり、多様な生徒たちが学んでいます。そうした多様な実態と、その中から生まれている多様な実践、多様な生徒作品。それらと向き合いながら、表現の可能性を広く、深く、考えてみたいと思います。
2月は3つの報告を予定しています。1つめは福島県の矢澤郁代さんの報告。農林高校の森林環境科の生徒が「聞き書き甲子園」に参加した経緯や成果を生徒2人自身も参加して語ってもらいます。
2つめは神奈川県の冨田明さんの報告。3年生全員に夏に志望理由書書かせました。学年全体での取り組みの報告です。
3つめは東京の正則高校の宮尾美徳さんの報告。高3生の読解と表現をつなが、そこから進路指導に取り組んだ実践の報告です。
みなさんの実践に参考になるヒントがたくさんあると思います。どうぞ、みなさん、おいでください。
参加希望者は、鶏鳴学園まで事前に連絡をください。
1 期 日 2014年6月8日(日)10:00?16:30
2 会 場 鶏鳴学園
〒113?0034 東京都文京区湯島1?3?6 Uビル7F
電話 03(3818)7405
FAX 03(3818)7958
メール keimei@zg8.so-net.ne.jp
ホームページ http://www.keimei-kokugo.net/
※鶏鳴学園の地図はホームページをご覧ください
3 報告の内容
(1) 「聞き書き甲子園」に参加して
福島県立会津農林高等学校 矢澤郁代
本校赴任3年目となりました。赴任1年目、1年生対象に保護者に対する聞き書き「働くということ」を課しました。聞き書き、そしてクラス全体での読み合わせを通し、働くということ、親子関係について考えを深めるよい機会となりました。
2年目となった昨年、新1年生には同様の取り組みを行い、新2年生には自分が興味を持っている職業に就いている社会人に対する聞き書き「働くということ」を課しました。
それと同時に、森林環境科(本校は農業園芸科、森林環境科、食品加工科の3科からなる)の生徒たちに対して「聞き書き甲子園」(きこりや造林手、炭焼き、漁師や海女、船大工など、森や海、川に関わる分野で様々な経験や技術を先人たちから受け継いでいる名手、名人を訪ね、知恵や技術、人生そのものを聞き書きし、記録する活動)への参加を呼びかけたところ、4名の生徒が希望し、2名の生徒が参加しました。
今回の発表では、その2人の生徒が「聞き書き甲子園」に参加しようと考えた理由から、レポートをまとめ上げるまでの過程、そして内面の変化を報告いたします。
(2) 3年夏に志望理由書をつくる―学年全体での取り組み
神奈川県立上溝南高校・冨田明
1年と2年夏に聞き書き作文を書いた学年。受験を前にした3年夏に全員に宿題を出しました。?部が志望するきっかけとなった経験、?部が問題を追究して本を読んだり聞き書きをしたりして調査した内容、?部が考察という内容。2学期は選抜した文集を読みあわせして、批評を書きました。
正則高校の宮尾実践に刺激を受けての取り組みです。何人かの作品を読みながら、検討していただけたらと思います。
(3) 高3生の読解と表現、そして進路指導
東京 正則高校 宮尾美徳
高3の一年間にわたって、現代国語と国語表現、合わせて週四時間の中で書き綴った、一人の生徒の作文をたどりながら、読解の授業、そして表現の授業の様子を紹介し、その進め方について考え方を語る。また、並行して行った進路指導についても触れたい。
そして、それらの方法について、ご検討いただけたらと思う。
4 参加費 1,500円(会員無料)
4月 14
程塚秀雄さんが4月4日に亡くなり、8日に葬儀が行われました。
高校段階の作文教育における
「畏友」でした。
享年76歳。
16歳も年の差がありましたが親友であり、盟友であり、悪友であり、中井メソッドの広報担当であり、私の後見人でありました。
彼については一文を書くつもりです。
8月 18
みなさんは、この夏どのように過ごしていますか。
私の方は、7月の後半2週間は鶏鳴学園の講習があり、
8月の初めには、日本作文の会の全国大会で2日間、
私が代表をつとめる高校段階の作文研究会が分科会を開催しました。
私は大学2年の掛君(鶏鳴学園の卒塾生)とセットで報告しました。
私は、鶏鳴学園での表現指導の目的やその指導過程の意味を説明し、
掛君は生徒の立場から自分自身の経験に即して、その意義を語りました。
参加者の前で、改めて自分のやっている実践の意味を確認する良い機会になりました。
鶏鳴学園の表現指導の内容と、男子(掛君です)と女子1人ずつを例に挙げて、
その指導の意味を検討した原稿を、今月の『作文と教育』9月号(日本作文の会の機関誌)に書きました。
その後の2週間は、ひたすら原稿執筆に専念しています。
1つは、被災地の国立大学の復興支援とその問題点をまとめる仕事(中公新書ラ
クレより11月に刊行予定)。
これは5月には原稿を一応仕上げたのですが、
取材先との事実や文面に関しての確認作業をし、
編集者との打ち合わせで、再度編集し直しているもの。
2つめは、聞き書きの理論と実践をまとめる本(大修館書店より来春に刊行予定)
これらは、この半年、ずっと宿題になっているもので、この2週間で区切りをつけたいと思って、頑張りました。
1つめはほぼ95%できました。8月末までには脱稿できる予定です。
2つめは3分の2ほどできました。秋には完成できるでしょう。
そして本日からは集中ゼミの予習に取り掛かります。
例年、夏になると八ヶ岳でゼミの合宿を行ってきましたが、
今年は、形を変えて、東京で2日間の集中ゼミという形で実施します。
マルクスの『資本論』の一番難解とされる商品論を読みます。
マルクスを読んだことのない人も、この機会にぜひ挑戦してみてください。
世界トップレベルの考え方に触れる良い機会です。
ゼミには、一部のみの参加も可能です。参加希望者は、連絡をください。