7月 04
2017年夏の合宿について
8月17日(木)から20日(日)の日程で、山梨県八ヶ岳の麓の清里で、合宿を行います。
4日間、ひたすらにヘーゲル哲学を学び、参加メンバーのテーマと生き方を考えます。
関心のある方は問い合せください。
一部だけの参加も認めます。
ただし、いきなりの参加は難しいので、中井ゼミの毎月の読書会、文章ゼミ、毎週月曜日のヘーゲルゼミなどに、
最低2回以上参加した人という条件を付けさせていただきます。
1)8月17日、18日はドイツ語でヘーゲル哲学を読みます。
2)19日、20日はヘーゲル哲学を日本語訳で読みます。
3)18日と19日の晩には文章ゼミと「現実と闘う時間」を行う予定。
「現実と闘う時間」は、参加者の現状報告と意見交換を行うものです。
4月 19
「聞き書きと宮本常一」
香月洋一郎氏(民俗学:前神奈川大学教授)の講演と討議
高校作文教育研究会、鶏鳴学園共同開催
聞き書きはとても豊かな可能性を持った方法ですが、それだけに実に多くの、そして根源的な難問を孕んでいる方法でもあります。だからこそ、圧倒的な豊かさと可能性を持っているのですが、その難問の前に立ちすくむことも多いと思います。
それを一緒に考えてみませんか。
また今回は民俗学の現在を知る良い機会でもあります。民俗学の意義は、私たち日本人が、近代化や、敗戦と戦後の高度経済成長の過程で失ったものを考えるようになることです。それは私たちの社会の表面からは消えたように見えながら、実際は社会の基底をなし、私たちの無意識の部分を支配していることが多いと思います。
日本の民俗学は柳田国男に始まりますが、宮本常一はそれを深めました。それは『忘れられた日本人』岩波文庫(「土佐源氏」「梶田富五郎翁」を収録)を読むとよくわかります。これが聞き書き作品です。今回の講演者の香月氏は宮本の直弟子の方です。
(1)日時 5月21日(日曜)午後1時より午後4時半まで
(2)場所 鶏鳴学園にて
(3)参加費 1千円
(4)参加希望者は、以下まで連絡ください。
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連絡先 〒113?0034 東京都文京区湯島1?3?6 Uビル7F
鶏鳴学園 香月講演会事務局
TEL 03?3818?7405、FAX 03?3818?7958
事務局メールアドレスkeimei@zg8.so-net.ne.jp
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1.講演者・香月洋一郎氏について
1949年福岡県生まれ。一橋大学社会学部卒業。日本観光文化研究所所員を経て、2009年まで神奈川大学経済学部教授、日本常民文化研究所所員。
香月氏は民俗学者ですが、『忘れられた日本人』などで有名な宮本常一氏の直接の薫陶を受けた方です。
著書ですが、民族誌としては『山に棲む―民俗誌序章』(未来社)『海士(あま)のむらの夏―素潜り漁の民俗誌』(雄山閣)、聞き書きについては『記憶すること・記録すること―聞き書き論ノート』(吉川弘文館)があります。
他に『むらの鍛冶屋』『空からのフォークロア―フライト・ノート抄 』『猿曳き参上―村崎修二と安登夢の旅』『景観のなかの暮らし―生産領域の民俗』『フィールドに吹く風―民俗世界への覚え書き』など多数。
2.講演と討議について
(1)聞き書きについて
鶏鳴学園の代表の中井は、高校作文教育研究会に関わっています。そこで数年間にわたる聞き書きについての共同研究を行ったことがあります。その時に、数々の難問に遭遇しました。
聞き書きの文体はどうあるべきか。話が事実とは違う場合、それをどう考えるべきか。その話の中に、ドラマのような劇的な内容がある時に、その表現も劇的な構成やドラマ性を表現できる文体になる。それをどう考えたらよいのか。
さらには、人が自分の経験を「語る」とはどういうことか。それを聞く聞き手と話し手とはどういう関係なのか。人が意識している人生の記憶とはどういうものなのか。
これらのかなり根源的な問いにぶつかり、それを考えている中で、1冊の本に出合いました。それが『記憶すること・記録すること ?聞き書き論ノート?』(吉川弘文館)です。
私が問題にしていることが、そこでも問題にされ、深く考え抜かれていました。やっと出会うべき本と人に出会えたと思いました。その本の著者が香月洋一郎さんです。
(2)宮本常一について
香月さんのそうした試行や模索の根底には、民俗学の巨人・宮本常一がいるようです。香月さんは宮本さんの弟子であり、その方法と考え方、生き方の大きな影響下にあるようです。
香月さんには、その宮本の行動、思想、それと言葉との関係を話していただきます。
宮本の有名な『忘れられた日本人』(その中に「土佐源氏」「梶田富五郎翁」などが収録)についてもうかがいます。この『忘れられた日本人』は聞き書き作品ですが、最高の文学でもあり、日本人とは何かを考え、日本人がその近代化、戦後の高度経済成長の過程で失ったものを考えるための最良のテキストでもあると思います。
4月 11
毎週月曜日の晩に、ヘーゲルゼミを行っています。
原書購読と日本語テキストで読む時間があり、
原書購読は午後5時からで、ヘーゲルの『精神哲学』を読んでいます。
日本語テキストの時間は午後7時過ぎからで、『精神哲学』に関連するものを読んでいます。
参加希望者は問合せください。
ただし、参加には条件があります。
日程や開始時刻などでの変更もあり得ますので、必ず事前に確認を願います。
遠距離の方や多忙な方のために、ウェブでの参加も可能にしました。申し込み時点でウェブ参加の希望を伝えてください。
参加費は1回2000円です。原書購読と日本語テキストで読む時間の2コマがありますが、一方だけでも両方に参加しても、参加費は同額です。
4月 04
4月読書会テキスト
4月23日(土曜日)の読書会テキストが決まりました。
ヘーゲル『精神哲学』第1篇主観的精神の「C心理学 精神」を読みます。
岩波文庫下巻の64節から106節までを範囲とします。
3月の読書会では『精神哲学』第1篇主観的精神の「B精神の現象学」を読みました。
その続きで、ヘーゲル言うところの「理性」の段階、その理論と実践の説明を読みます。
いつものように
補遺は飛ばして、全体の関係を読むようにしてください。
参加希望者は
早めに(読書会は1週間前まで、文章ゼミは2週間前まで)申し込みをしてください。
遠距離の方や多忙な方のために、ウェブでの参加も可能にしました。申し込み時点でウェブ参加の希望を伝えてください。
ただし、参加には条件があります。
参加費は1回2000円です。
4月からのゼミのスケジュール
基本的に、ゼミの開始は午後2時、
読書会後の「現実と闘う時間」は開始を午後4時とします。
ただし、変更があり得ますから、確認をしてください。
なお、「現実と闘う時間」は、参加者の現状報告と意見交換を行うものです。
4月
9日日曜 文ゼミと「現実と闘う時間」
23日日曜 読書会と「現実と闘う時間」
5月
7日日曜 文ゼミと「現実と闘う時間」
21日日曜 読書会と「現実と闘う時間」
6月
4日日曜 文ゼミと「現実と闘う時間」
18日日曜 読書会と「現実と闘う時間」
7月
2日日曜 文ゼミと「現実と闘う時間」
16日日曜 読書会と「現実と闘う時間」
8月には合宿があります。
8月17?20日
4月 03
三種の神器 ペース、タイミング、バランス (これが本当の日本語辞典シリーズ)
ペース、タイミング、バランス。
世間では、何かに悩み、考え、実行する際に、この3点セットが良く使われる。まるで三種の神器のように崇め奉られているようだ。
この3点セットで物事を考えている人が多いわけだが、これは基本的には偶然性の立場に立っていることを意味する。それに対しては、必然性の立場があることを言っておきたい。
ペース、タイミング、バランスといった言葉は、それぞれの置かれた多様な条件下での議論で使われる。しかしそうした偶然的な条件を超える、根本的な原理・原則があり、それを押さえた段階があり、それこそがペース、タイミング、バランスを本来のありかたで位置づけることができるのではないか。
先日、山本崇雄著『なぜ「教えない授業」が学力を伸ばすのか』を読み、この本もまた、偶然性の立場の典型例だと思った。このテキストではポイントの提示で、必ずペース、タイミング、バランスといった用語が出てくるからだ。
この本は、実際の学校現場で、周囲の無理解と戦いながら、アクティブラーニングに6年間専念してきた教員の汗と涙と大いなる成果の物語である。
その目標は生徒の自立であり、そのために常に「問い」を前面に出し、生徒の自主的活動を中心に据えた授業運営をするなど、本書には正しい原則やすぐれた方法や実践が紹介されていて、学ぶことが多い。
しかし、その根本的な立場はどうかと言えば、それは偶然性の立場である。それは、本来的な自立とは矛盾するものだと思う。
2017年3月16日